おせちの普段

12/30 ちょろぎの正しい食べ方

 いやあ・・・この食べ方は気がつきませんでした!

「ちょろぎ」の天ぷらです。ほくほくと美味しいのです!

あの!ちょろぎがですよ・・・今まで、美味しいとかまずいとかを一切

考えてみたこともない食材でしたので、衝撃的でしたよ〜

ちょろぎの生きていく道を見つけてあげたようで、希望に満ちた日に

なってしまいましたね〜

 所は丹波篠山の「ろあん松田」というお蕎麦屋さんで・・・

丹波篠山というと、黒豆の産地です。黒豆にちょろぎって付き物ですか

ら、これはひょっとしたら「ちょろぎ」の正しい食べ方かもしれません

一度お試しあれ!

(生のちょろぎで作ってね〜〜)




ちょろぎ・伊達巻

  いきなり、ちょろぎって言われても・・・そんなん知らんし・・・

 伊達巻は甘いから食べへんし・・・お正月から難問です。

 まあ、これに関してはぼつぼつでんなあ・・・・・・

 ただ、1つ気になったのは、野瀬兄いとこの九州では「がめ煮」という

のに、大阪では「筑前炊き」と呼ぶんですよ・・・

 これはなんでかしら?多分同じような煮物だと思います。

 かしわ・人参・蓮根・牛蒡・椎茸・蒟蒻・里芋を我が家では入れて

 ます。

  おせちには関係ないのですが、お正月にはいつもと言って良い

 位、必ずあるのが「粕汁」です。暮れにいただいた鮭でだしをとる

 のですが、お鍋に粕汁があると、妙に安心するのです・・・

 もちろん、今は コンビニエンスストアが24時間開いてるので、

 何にも心配はいらないのですが、ストーブに粕汁のお鍋がかかると

 ああ、もうすぐお正月やなあ・・・と感じてしまいます。

 そして、粕汁は毎日かやくを足したり、残りの出しを入れたりで

 微妙に味を変えながら、延々と食べ続けるのです。

 もちろん!御餅をいれても良いのです。ちょっと焦がしてから入れ

 と美味しいと思います。





ちょろぎ
 
 一昨年までは、我が家のおせちは、まあどちらかといえばええ加減

な物で、つまり、縁起物よりも好物優先で、皆が食べない物はお重の

中に入ってなかったのです・・・去年から土佐堀の「山口」さんがお

重を届けていただいてますので皆で有難く頂戴してます。

 お料理屋さんのプロのお重なので、当然全ての縁起物のお料理が揃

ってるわけですので、「ちょろぎ」も入ってるわけなのですが・・・

 それは、黒豆の横にちゃんといてました。紅白に染まってました?

 もちろん今年は心を込めて食べましたよ!

 感動はしませんでした・・・

一体「ちょろぎ」とは何なのか・・・

 

ちょろぎの普段

 おせち料理とは、つまり、普段は食べない物の集合体ではないのか?

と感じたのは私だけでしょうか・・・?

ちょろぎも伊達巻もくわいも数の子も普段は何をしてるんですかねえ?

まず、見たことないのです。くわいは薄くスライスして、揚げて、

くわい煎餅にして食べさせてもらった事はありますが、普通の食卓に

のってるのは知りません・・・数の子だって、懐石料理にちょこっと

ついてきたりはしてますが、一般的ではないし、ごまめやなますもそう

でしょう・・・

 はっきり言ってあまり美味しい物ではない!ので、お正月にしか食べ

ないのと違うでしょうか・・・?
タイではくわいがスウィーツに

 あのくわいがお菓子になって登場するとは思わなかった。

それも美味しいからで、まずいと納得できるのですが・・・

なんと言えない歯ざわりが心地よく、実に美味しいんです。

ココナツミルクに合うんですねえ・・・ひょっとしたら、おせちに

入のるは間違ってるのかもしれないなあ・・・と思って食べました。

タイでは日頃のお菓子でいつも食べてるようです。

 この赤い色のがくわいです
焼きみかん
 
 焼きみかんと言うと、「ああ、やったやった」と懐かしがる

のは、大阪の子です。家によって、いろいろでしょうが、火鉢

にのせて、じーーーっと焼けるのを待ってたものです。

 じわーっと、あたりに皮が焼ける匂いがしてきます・・・

これを覚えてて、味の方は、ホットオレンジの固体形とでも言い

ましょうか・・・つまり、温いみかんです・・・(当たり前です

ねえ・・・)何らかのアロマテラピーと、ビタミン補給だったの

でしょうが、風邪のお薬と言って日常茶飯事に焼いてました。

 食べ物の陰陽の本に、暑い所で採れるものは、身体を冷やす作

用があると書いてあったんですが、お茶もみかんも、温かい地方

でしかできませんので、冷やすのでしょう。と、言う事は、この

みかんを焼いて食べる方法は、まことに、理にかなってるのかも

しれません。

 お正月のお飾りを燃やす時は、みかんをつけたままでした。

藁が燃える匂い・・・みかんの焼ける匂い・・・何かしら、元気

が出るような気がしたのですが、今流行りのアロマテラピーでは

オレンジの香りで元気になると言いますから、昔は、自然に生活

の中に取り入れてたのでしょう。家の中から、火鉢がなくなり、

焚き火ができなくなってから、みかんを焼く事はなくなりました

が、我が家では、それに変わる事を今でも時々しては楽しんでま

す・・・
おかんみかん

 お風呂にみかんを入れません?

湯ぶねに、ぷかりぷかりと浮かせとくのです。

冬至に柚子を入れるでしょう・・・あれと同じですよ。

ゆっくりと温まって、湯上りにむいて食べるのですが、ちょうど

人肌にお燗されてるので、夜寝しなに食べても、冷えない「おか

んみかん」になります。冬になると、みかんの皮を干して、袋に

たくさん入れて、お風呂に浮かせますが、やはり、皮だけより、

実のある方が、子供の頃は嬉しかったものです。

 父がいつも、みかんが温もるまで浸かってろと、言ってました

が、これは、相当に長湯をせんとあきません。親もあの手この手

と作戦をたてるもんなんですねえ・・・その頃はカラスの行水で、

早くお風呂から上がりたいのと、早く食べたいので、或る時私は、

みかんに指で穴をあけたんです。確かに、早く温もるでしょうが、

その不味い事!ぐちゃぐちゃで、水くそうて・・・自分で何てあほ

やろと、つくずく思ったもんです。

 もちろん晒しの袋に入ったみかんの皮も、あまり美味しそうなの

で、食べてみた事もありますが、あんな不味いもんはありません・・

こんな経験は私だけかと思ってたら、最近読んだ本に、同じように食

べた人がいてはって、妙に親しみを覚えたのですが、その家では、

そのお風呂の後のみかんの皮を、池の鯉にあげるんやそうで、鯉は

いとも美味しそうに食べるというのです。このみごとなまでのリサ

イクル・・・読んでて感動してしまいました。これを子供の時に知っ

てたら、住吉さんのお池の鯉にあげられたのに何とも残念です・・・

黒焼きの謎

 新年会で焼きみかんの話をしたら、ベトナムでは、お腹の具合が

悪い時に、みかんと生姜の焼いた物に熱いお湯をかけて、飲むとい

うのです。真っ黒に焦げた皮も一緒に入れて、黒い焼け焦げも一緒

に飲むというか、食べるんやそうで、まあ、あまり美味しいもので

はないようですが、薬としては良く効くそうです。アジアの焼きみ

かんって、色々ありそう!

日本では、風邪の薬と言われてますが、他に何かの薬になったので

しょうか?梅干の黒焼きもよくやりました。扁桃腺には、赤とんぼ

の黒焼きが効きます。ほんま!ですよ・・・喉に直接、黒い粉を吹

きかけるのです!子供の頃から、よくやってもらっていました・・

今も、救急箱に入ってます。

「黒焼きの謎」

何を、黒焼きにして、何に効いたか!

有名なところで、「いもりの黒焼き」は・・・はてな?


かも葱雑煮

 お雑煮のお餅を焼くか、煮るか・・・まあ、どっちゃでも美味し

ればええんでしょうが、つまり、堅いのが好きか、柔かいのが好き

か、おつゆが濁っててもええか、絶対に綺麗なおすましやないとあ

かんというこだわりとの戦いで、正直なとこ、堅いお餅が好きな人

ってあまりいてはらへんのと違うかしらん・・・?

我が家では、お雑煮の事になると、何故か、家族全員と私一人が対立

してしまうので、朝、お祝いする時は、家族に従う事にしてます。

家は、大阪なのに、お澄ましに、焼いたお餅と、三つ葉と柚子だけの

あっさりとしたお雑煮です。おつゆがちょっとでも濁ると駄目です。

しかし、私は、べちゃべちゃのお雑煮が大好きで、土鍋なんぞをひっ

ぱりだして、ぐつぐつと煮るのです。こんがり焼いた方が、香ばしい

て好きです。いずれにせよ・・・どろどろ状態が最高にいいのです。

茶碗蒸しの材料があれば、母に見つからないように、こそこそと入れ

ます。百合根・銀杏・海老・あなご・青みはもちろん三つ葉です。

 これは家でしか食べられないのが特徴のオリジナル土鍋雑煮です

お正月の行事は、家代々受け継がれるものでしょうが、我が家は、

母の気ままで、関東式に変わってしまったのです。

 大阪堺市の百舌鳥町では、百舌鳥精進といって、12月28日から、

1月15日までは完全な精進料理だったそうです。今でも民家で重要文化

財に指定されてる旧家の、高林家では、お精進やそうで、さすがに、

三が日だけになさってるそうですが、お正月だけは、竈に火を入れら

れます。これは、ご当主の仕事やそうで、その伝統はしっかりと、小

学生のご長男にも、受け継がれてます。

 所変わって、船場あたりの商家となると、三が日それぞれに、お雑

煮が変わると聞いた事があります。お澄ましに白味噌に、具も色とり

どりで、さすが、商売人の家だけに、工夫がなされてるとのです。

 子供の頃、我が家でお祝いをした後、父と父のお弟子さんと一緒に

今度は、父の師匠の桐竹紋十郎宅へお年始に伺いました。紋十郎師匠

のお家は、白味噌仕立てで、丸餅を焼かずに入れ、里芋やら人参やら

かしわやら、とにかく具だくさんでしたが、その分おつゆが少ないの

で、いただくのが大変でした。紋十郎師匠のお宅に紋付袴のおじさん

が何十人も集まるのも凄い光景ですがその後、御贔屓さんのお宅に

挨拶に伺うと、大広間に黒紋付の芸者衆がずらりと並んでのご接待!

なんてお家もありまして、それはそれは華やかなもんでした。

どのお宅もそれぞれにお雑煮が違ってたのが印象的で、大阪は奥さん

のお里の伝統も重んじるので、色々になってると聞いたことがありま

す。中でも、傑作は、おすましに、焼いたお餅と、東京葱、そして、

鴨が入ってて、飛び切り美味しく、その家の主曰く「鴨が葱背負てく

るように祝いまんねん」やっぱり大阪でんなあ・・・