ばら寿司・五目寿司・ちらし寿司 |
どうも都会では最近、家の味というのがなくなりつつあるの
が気になりますが、何でも、ちょっと歩けば売っているので、
「ちょっと、大きめにむすんでやって・・・」などという言葉
も聞かれなくなってしまいました。おむすびはコンビニで買う
物と思い込んでいる子供も少なくないと聞いて、あのおむすび
で満足している「べろ」はたいした事ないなあ・・と、かわい
そうになります。機械に工夫を重ねて、空気を入れて、ふかふ
かにむすべるようにして、それを「高級おむすび」として売る
なんて・・・頭の線がどこかでぶった切れてるに違いありませ
ん!ああ、お寿司でしたね・・・
家の味自慢のばら寿司って大好きです。残念ながら、我が家
では、それは母の友人が作ってくれるものでした。前の晩から、
高野豆腐に椎茸なんかの準備をして、明くる日のお昼に見事に
出来上がるのです。「おばちゃん、お寿司食べたいねん・・」と
言うと、「よっしゃ、よっしゃ」と、泊りがけで来てくれるので
す。ちりめんじゃこをお酢の中に入れて、全ての塩加減をそこで
する事や、絹さやを湯通ししたら、冷たいお水に入れると色上が
りが良いとか、蓮根はしゃきしゃき感を残すとか、おばちゃんの
側で見てるだけで覚えたものです。普通はそれがお母さんなので
しょうが、家の母は料理嫌いなので、そういう手間のかかる物は
したがらないのです。従って、待っていても絶対に出てくる事は
ないので、子供なりに作戦を立てるわけなのです。
と、いうわけで、家で食べる「ばら寿司」はやはり晴れの食べ
物というイメージが強く残っています。
人間の食べ物は人から人へ伝えるのが原則。
機械に作ってもらって食べなければいけない人は気の毒です。
|
|
お寿司とおむすび |
おいなりさんをお寿司と思うか、おむすびと思うか
立派なお寿司です。
そもそも、おむすびとは、基本的に温いご飯さえあればすぐに
出来るものです。鮭を焼くくらいの手間はかかっても、今すぐに
食べられるのですが、お寿司はもっと手間がかかってます。
お稲荷さんは、油揚げを上手に開くのさえ大変な事ですし、揚げ
を甘く煮ふくめておかなければいけません。ご飯も、お酢をかけ
てから冷まして、味を落ち着かせなければ、熱々のままでは、ど
うにもならんものです。
そこへいくと、おむすびはむすんでからすぐに食べられるので
す。熱くても、冷めても美味しいもんです。
個人的には、近頃お店で売ってるおむすびは好きではありませ
ん。ゴム手袋はめてむすんでますでしょう?気持ち悪いんです。
お寿司屋さんでは誰も何も言わないのに、どうしておむすびだけ
がゴム手袋して作らなければいけないのでしょう???
許せません!!!素手でご飯をさわってはいけないのでしたら、
江戸前のすし屋も回転すし屋も全てゴム手袋を義務つけなければ
おかしいでしょう?!
ゴム手袋は即刻やめていただきたいものです。
人間の手の平からは大変な気がでているので、素手でむすんだら
そのエネルギーがおむすびに入るのです。
お母さんが「元気で良い子に育つように」という気をこめて作る
と、子供がお母さんの味を覚えるのです。例え、お母さんが、
邪魔臭いなあ・・・と思いながら作っても、お母さんのおむすび
の味だけは他と違うもので、それはどんな高級料亭で吟味して
作ってもまねできないません。どっちの料理ショーが逆立ちして
もかないません。世界中さがして歩いてもみつかりません。
それが、母のおむすびの味なんです。そして、美味しいおむす
びを食べさせてもろた子供は絶対、美味しいおむすびを作れる人
になれるのです。
|
|
さばら寿司 |
いやあ、鯖缶を使ったばら寿司というのを読んで、懐かしくて
すぐに作りました。私は無類の鯖好きでして、秋になるとよく
さばら寿司というのを作ってましたが、ここ何年もご無沙汰して
ます。鯖のばら寿司の事ですが、鯖の身をスプーンでこそげて、
お酒と淡口醤油でそぼろにします。これを炊きたてのご飯にかけ
て食べるのはよくやりますが、お寿司までは中々出来なかったの
です。この度、カンズメを使うという思っても見ない発想に、感
動して、早速やってみました。柚子酢でやってみました!
他に何も入れなくても美味しいと思いましたが、彩りに絹さやと
蓮根と人参と生姜と錦糸玉子を入れましたが、もうもう本当に美
味しく出来ました。柚子酢を使うというのが又ええもんです。
これなら、さあ、お寿司!と思わなくてもすぐ出来てしまいま
す。私は、新生姜が出る頃、家にいると、必ずお酢に漬けますが
この時に、果汁酵素をほんの少し入れるだけで、砂糖を入れませ
ん。そして、漬かったら、みじん切りにして瓶にいれて置いて、
この生姜に炊きたてのご飯にかけてまぜるだけで、我が家の寿司
めしがあっという間に出来るのです。
|
|
鱧皮寿司 |
大阪の蒲鉾屋さんのちょっと気のきいたお店には、決まって
「鱧の皮」というのが商品として売っていて、店店で、その味付
けが違い、甘いところもあれば、きりっと醤油だけのところもあ
って、鱧皮だけを追いかけるのも面白いと常々思ってはいるもの
の、中々実現出来ないのです。と、いうのは、家の近所の福田
さんの鱧皮が何と言っても甘くなくておいしいから・・・
鱧の季節になると、「ええのん焼いといてくれはる・・・?」と
お願いすると、立派な鱧皮を香ばしく、焼いておいてくれはる。
炭火かなんかで、焙りながら七味か、山椒をかけて、食べるの
一番美味しいが、これをお寿司にするのも悪くない。
鱧寿司は店で食べられるけど、鱧皮寿司は絶対に家でしか食べ
られないもんで、夏に大阪にいると、よう作ります。作り方はい
たって簡単で、祇園祭りの頃になると、鱧の皮のきゅうりもみを
よく作りますが、それをそのまま、熱いご飯にかけて、生姜と
山椒と胡麻をたっぷりかけ、青紫蘇なんかも千切りにしてかける
と出来上がります。全て目分量で好きな味にしたらええのです。
自分が食べるのですから・・・・
しかし、これは暑い時にはとても口あたりがようて、なんぼで
も食べてしまうのが玉に瑕・・・食欲の落ちる方にはおすすめの
1品です。ちょうど、その頃にはすだちが出回っているので、す
だちで作ると、なお結構で、蒲鉾を作った残りの皮でこんなに
美味しいもんたべさせてもろて・・・と幸せになります。
ちょっと、皮肉な味の夏のお寿司です!
|
|
お稲荷さんはお寿司です! |
江戸ではどういういわれか、田舎ではどういういわれかは
知りませんが、雅な!上方では、稲荷大明神のお使いである狐の
好物が油揚げで、お稲荷さんにはその油揚げをお供えするという
古くから言い伝えられている習慣があり、その油揚げに酢めしを
つめて、これを稲荷寿司、と呼ぶようになったとさ・・?
と・・・本当はどうかわかりませんが、とにかくあれがお寿司
やないと、古典落語がやりにくくなるので、なんとかお稲荷さん
がお寿司であるという実証ができないものでしょうか?
上野動物園の狐に油揚げを食べさせてるというのは聞いた事が
ないから・・・なんで狐の好物になったのかはわからないのです
が、もし、この事実をご存知の方がいらしたら、ぜひ教えてくだ
さい。
|
 |