ソースで天ぷら

ソースで天ぷら

しゃかしゃかの大阪人にとって、こうも当たり前のことが、なんで?

と思たら、なんとなんと日本地図が真っ二つになってるやありません

か!と言うことは、東京あたりの人はこんな美味しい食べ方を知らは

れへんのです。ああ可哀相・・・

 天ぷらにもいろいろありますが、こと「鰯」に関しては、これはも

うウスターソースの他には考えられません。「海老」やら「きす」は

上品で、天つゆにでもなんでも、うまいこと合わしやるけど、鰯やげ

そなどという養殖などに頼らず、世界の海を又にかけてる強者にこそ

海運王国といわれたイギリス生まれのウスターソースがぴったり合う

のです!市場で買うてきた鰯の天ぷらにウスターソースをかけて、

地球の食文化交流を感じながら食べるのが、これぞ!大阪的天ぷらの

食べ方なのです。

ソース天丼というのはないのでしょうか?

鰯・げそ天・人参・ジャガイモ・それに紅しょうがのソース天丼は最高

の取り合わせやと思いません?




ソース天丼

 「ソース天丼」て、美味しいと思えへん?と、いきなり聞くと

どうなるか?「何それ?」と言うのは当たり前で、次が「別に不

思議はないなあ・・・」くらいの返事。しかし、中に「あーーっ!

それって、絶対美味しいですよ!キャベツ敷いてくださいね」と

小気味よく跳ね返ってきた美女がいてました。その名は由布子さん

そして、先輩格の美夜子さんがすかさず横から、

「ソースってウスターソースの事ですよね?いきなりよりやっぱり

「出し」で割ったほうがええのとちゃいます・・?」

 おお!マイゴオーット!!!

このセリフを野瀬兄イが聞いたら、早々に狂喜乱舞させてしまうや

ありませんか!どこにでも登場する大阪の「出し」ですぞ・・・

この2人はNHKの「人生自分流」という番組のスタッフの中の女性

なのですが、1人は、一般的に言うならば、帰国子女でして、

NHKの帰国某アナウンサーのように、「京都県」などとは言わない

までも、それに近い感覚が残っているくらい、外国生活の方が

長かったわけなのです。ああ、それなのに、それなのに、ウスター

ソースを出しで割るという大阪純度100%のネイティブなDNAを

しっかり受け継いでくれてるのです。この2人のおかげで、

口がすっかり「ソース天丼」になってしまったので、録音が終わる

やいなや、我家の近くの粉浜の市場へ直行したのです。

南海本線「住吉大社」駅から「粉浜」駅までの間ずーーと続くのが

「粉浜商店街」で、専門店が多いのが自慢です。

天ぷら屋さんだけでも、3軒あります。

いつも買わせてもうてる「千石」さんの おっちゃんとおばちゃん
ここの自慢は、「ゲソ」と「ごぼう」と「紅しょうが」

 さて、いよいよ「ソース天丼」を作るわけですが、用意した

天ぷらはいわし・げそ・紅しょうが・じゃがいも・さんどまめ

れんこん・なす・ごぼう・みつば・えびたまねぎ・きす・ちくわ

いか・あなごあれこれと試した結果、やっぱり「出し」でした!

お水だけで薄めるより、出しを入れた方が深みのある味になりま

した・・・やっぱり「出し」でんな!

ウスターソースとうどん出しを合わせて、ひと煮たちさせ、

その中に 寒風に吹きさらされて、めいっぱい、ちじこまってる、

いわしや、みつばを入れてあげます。べちゃべちゃが好きな人は

長く、そうでない人はさっとくぐらせる程度で、熱々のご飯の上に

のせます。そして、必ず、ふたをして、1〜2分蒸らします。

この蒸らしの間に、ちじこまってやった天ぷらが安心して、ふっく

らと温もってくれるのです。

 キャベツは、春キャベツでもう1回 試したいのですが、冬の

硬いキャベツやと、いくら細く切ってもちょっと違うように思い

ました。ソースカツどんにはぴったりなんですがねえ・・?

いわし・げそ・たまねぎ・なす というところが私はぴったりや

と感じたのですが、家族は、れんこんや、じゃがいもやと、好み

を言ってたので、それぞれに美味しいんやと思います。

特に感動的だったのが、何と!「紅しょうが」

東海林さだおさんが、以前、「紅しょうが」が、何を想ってか、

九州まで行って豚骨ラーメンに身を投げているのを見て、

胸が痛くなったと書いたはった事がありましたが、いつも、

けっして目立つ事なく、おいなりさんの横でも、焼きそばの横に

でも、ひっそり寄り添って、主役をひきたたせてる健気な、

「紅しょうが」を立派な主役にしてやれるかもしれないと思うだ

けで、もう嬉しくなるやありませんか・・・「紅しょうがの

ソース天丼」・・・味は感動的なのですが、見た目が真っ黒け

ですからねえ・・・?

 東京の方は、なんの違和感もありません。普段食べてる天丼

と同じ色ですから・・・

まあ、お好み焼きを食べる感覚になって食べれば、

何事も丸く納まるでしょう!




天ぷらといえば

大阪にはさつま揚げという物はありません。

どちらかと言えば、こっちが「天ぷら」で先のソース天丼の

ほうは、「野菜てんぷら」と呼びます。

 しかし、お店は、蒲鉾屋さんで、天ぷら屋とは書いてません?

こっちの、天ぷらを売ってはる、蒲鉾屋さんも、粉浜商店街には

3軒もあります。

これは、ごぼ天・しろ天 (ごぼうのさつま揚げっていいます?)
大阪では、ひら天といいます さつま揚げとはいいません
いつも買わせてもろてる「福田」さんのお兄ちゃんとお母さん



さつま揚げといえば

大阪で「さつま揚げ」というのは、一商品名で、ひら天の中に、

具の入ったものをそう呼ぶらしいのです。具は店で、違うようで、

ねぎ・人参・生姜・キャベツ・のような物が一般的で、店によっ

ては、ゲソの細かく刻んだのや、グリーンピースやらも入れる・・

じゃこ天風なのもあって、これは、これで、細かく研究すると、

とんでもない物が入ってて、はまるかもしれませんな・・




THE・副産物

ウスター出しがお鍋に残ったまま、キャベツも残ったまま、

同窓会に出かけ、同級生の嫁姑の難しいコミュニケーションに、

目を丸くして帰宅すると、母の「このソースどないすんのん?

キャベツは?」と嫁に対する遠慮がちな物言いとは裏腹な、

直接的に剣のあるニュアンスでの怒鳴り声・・・

さてはこないだ、台所中、天ぷらだらけにして、あちこち

ソースで、べちゃべちゃにしたのを、根に持ってるな?と

謝ったほうがええかな?と思いながらも・・・売り言葉に

買い言葉、「食べたらええんでしょ!!!」と切り返すや否や

キャベツを腹立ちまぎれの千切りにして、干からびた人参も

ついでに切って、ソース天丼の油の浮いた出しソースの中に

ほり込み、情けなくも歯痛なので、しなしなーっとさせてから

食べてみると、なんと!あの、給食で人気の高かった、

「野菜のソテー」といわれるメニュウそのものの味になった

ではありませんか!もう、懐かしさで、胸がいっぱいになりま

した。私の中では、幻の味になってただけに、この、単純な

レシピに感動したわけなのです。これは、キャベツが主役で

あれば、残りの野菜はきっと、なんでもOKだと思いますので、

ソース天丼の残りの「ウスター出し」は絶対に、ほかさんとい

てください!



松山名物になるか!?

 天ぷらと言えば、じゃこ天と答えが返ってくるこの松山で、

頑固にも江戸前で勝負しようというのがこの「くろす」さん

です。ご主人が江戸の方かと思いきや福島出身で、東京で修行

している時に松山出身の奥さんと知り合って、奥さんの故郷で

昨年晴れてお店を持たれたまでは良かったのですが・・・

 松山の食文化の違いに戸惑っていらっしゃいました。

この地は天麩羅屋さんがとても少なく、串揚げの方が多い見事

な関西系なので、油も良く、カラリとして、種も愛媛の旬を

丸ごといただけて、こんなに美味しいのに、江戸前の粋な食べ方

は人気がないらしいのです・・・そうです!ソース圏なんです。

松山で仕事をした方全員にお聞きしたところ、みんな、「ソース」

とお答えになりました。塩もあり、子供はソースとマヨネーズ

という人もいましたねえ・・・とうとうここまでマヨが!

でも、考えてみたら、グリーンアスパラなんて、マヨのほうが

いけるかもしれませんねえ・・・この「くろす」さんでは、

穴子に関しては、カレー塩が出されましたが、いっその事、

江戸前コースと松山コースを分けて、松山の方は、何でもありの

オリジナルでソースOKにしてもらえないかなあ?鰯の揚げたてに

ソースがつけられるなんて・・・夢のようじゃありませんか!

じゃこ天も天ぷらにしてほしいなあ・・・骨天も・・・観光客に

とってはご馳走ですよ。

それと、どこもやってない「ソース天丼」をぜひとも

松山名物にしていただきたいと思ってます。



天ぷら「くろす」松山市一番町(四国電業横)

   TEL089−913−0073
奥さんは元看護婦さん(あまり関係ないか・・・?)